
千葉県・南房総市にある旅館「千倉館」。そのお料理の中でもとりわけ心を掴むのが、夕食の“囲炉裏(いろり)”を使った炭火焼スタイルの海鮮料理、そして朝を締めくくる“釜炊きご飯”です。
今回宿泊した際には、夕食は囲炉裏プランを利用しました。ボリュームも多く、子供と一緒でも安全に楽しめる囲炉裏料理でした。
その魅力をご紹介します。
こちらの記事では、千倉館の食事にフォーカスして書いていますので、千倉館全体の紹介は、下記の記事よりご確認ください。
コンテンツ
千倉館の囲炉裏ができるまでの前菜など
《千倉館の刺身や前菜》
囲炉裏は当然のことながら、焼く時間がかかります。
今回はお刺身付の囲炉裏プランを申込ましたので、3種のお刺身、美味しいお豆腐や南蛮漬けなどが、囲炉裏の前に出てきました。
ビールを飲みながら、さすがに、海が近い南房総市!お刺身も新鮮で非常においしかったです。
千倉館の囲炉裏料理という演出と非日常の空気感
《千倉館の囲炉裏》
まず、夕食の舞台となるのがこちらの写真の通り、昔ながらの囲炉裏端です。
千倉館では、一日限定数組(例:1日5組様限定プラン)という枠で、「海鮮炭火焼き・囲炉裏処」というプランが用意されています。
これは単に料理をいただく、という以上の体験です。
炎にあたたかな灯りを投じる炭火、木組みや和の趣を残す建物の中、網や鉄板ではなく“囲炉裏”で海の幸・山の幸が焼かれていく過程を目の当たりにすることで、
旅館の夕食が「料理を食べる」から「体験を味わう」時間へと変わります。
《囲炉裏で焼く新鮮な海鮮や野菜》
《海老や干物、さんが焼きやつくね》
囲炉裏の炎がパチパチと音を立て、海老や貝、地魚の干物、野菜などが炭の上で火をまといながら焼かれる。
屋内ながら、どこか屋外のキャンプのようなワイルドさと、日本家屋特有の落ち着きが同居する妙。特別な夜にふさわしい、非日常の演出がまず第一に心を動かします。
また、囲炉裏で焼きながら自分たちのペースで素材を楽しむスタイルも嬉しい。
「焼き上がりを待つ」「香ばしさが立ち上る」「焼けたてを手に取る」という“流れ”がそこにあり、普段の会席料理とは一線を画しているのです。実際に、囲炉裏端でのひとときが特別でした。
そして品数の多さにビックリです。
千倉館の素材(伊勢海老など)へのこだわり|海の幸・山の恵み
囲炉裏料理において最大の魅力は、やはり「素材そのものの味」がしっかりと伝わってくること。
千倉館の公式サイトでも、「旬の食材にこだわりながら、彩り豊く、味わい豊かに。南房総ならではの新鮮な海の幸・山の幸を、最高の逸品に仕立ててご提供いたします」と明言されています。
例えば漁港直送の地魚、房総で育ったアワビ・サザエ・海老など!そして、地元ならではの“干物”や“さんが焼き”といった漁師町の味までが、囲炉裏で焼かれることでさらに香ばしさをまとい、口に運ぶたびに“その場所ならでは”という旅情を感じさせてくれます。

《伊勢海老やホンビノス貝など》
今回は贅沢に「伊勢海老」付の食事にしました。サザエやホンビノス貝も非常に風味豊かで、おいしくいただきました。
さらに、プランによっては追加で「伊勢海老刺身」「金目鯛の姿煮」などの別注も可能です。
囲炉裏焼きの基本スタイルに、自分好みの“豪華アップグレード”を加えられる点も、料理好きには嬉しいポイントです。
そして、締めは、焼きおにぎりです。自分で醤油を塗って、焼き上げるスタイルです、最後まで囲炉裏の雰囲気を味わえます。
こうしたこだわりが、「ただ宿泊するだけ」ではなく「その地域の恵みを五感で味わう旅」に昇華するカギとなっています。
千倉館の子供囲炉裏ご飯の工夫
子供も基本的に同じ品々が用意されていますが、少し内容が違いました。サザエやホンビノス貝は大人だけに付いていました。
その代わり、子供には囲炉裏で焼くウインナーがあったり、エビフライや唐揚げのプレートが出てきました。
写真を撮り忘れてしまったのですが、子供達も大満足の様子でした。ジュースとお菓子ももらえて、喜んでいましたよ。
囲炉裏はバーベキューのようにそこまで火力が強いわけでもないので、焼き上がるまで、時間がかかりますが、プレートがあれば、子供も飽きることなく、食事を楽しめます。
焼きあがるまでの時間と会話のひととき
囲炉裏でじっくり焼く料理には「出来上がるまでの時間」が伴います。
子連れで一番気にしていたのは、この待ち時間で子供が退屈しないかという心配でしたが、何も問題ありませんでした。
むしろ囲炉裏がゆったりと流れる旅の時間を演出してくれます。火を見ながら、隣の人と語らい、旅の振り返りをしたり、次の日の予定を話したりする。
炭火と網から立ち上る香りが、館内をほんのり包みこんでいく感じがまた良しです。
また、スタッフの方が程よく火加減を見ながら網替えや焼き上がりのタイミングを教えてくれることも多く、安心して焼き体験ができます。
高座椅子やベビーチェアの用意もされており、他にも小さなお子さま連れのご家族もいて、比較的安心して囲炉裏スタイルを楽しめる設備対応もなされています。
こうした「みんなで一緒に焼いて食べる」という時間は、旅の中でも“特別”な思い出になりやすく、また、素材そのものの香り・手で焼くという体験が、食事をより深く胸に刻んでくれます。
千倉館の釜炊きご飯の朝食
《千倉館の釜炊きごはん》
こちらも千倉館の名物「釜炊きご飯」です。千倉館では、朝食会場で目の前で炊きあげる釜炊き白ご飯(南房総市産)を提供しています。
一人一人に1つのお釜で炊き上げるスタイルで、子供達にも一人ひとつのお釜ご飯が付いていました。
こちらも炊き上がる時間がかかるようで、朝食時間は8時からで、他の温泉旅館に比べては遅めの時間設定かなと思います。
その特徴は、炊きたてゆえの「お米一粒一粒が立っている」感覚、湯気立ちのぼる釜からの香り、そして“土鍋で炊いたような”ふくよかさでした。
予約の際、口コミでも「釜炊きのご飯がピカピカ」「干物とご飯でおかわりしてしまった」という声が挙がっていました。
《千倉館の朝食》
こちらが、千倉館の朝食全体です。これに味噌汁がつく感じです。
お釜ごはんは美味しいのはもちろんですが、写真のアジの開きもふっくらとした身で非常に新鮮さが伝わる、美味しいアジでした。
朝食もボリュームも文句なしで大満足です。子供達も同じメニューで、アジをペロリとたいらげていました。
旅館の朝食は「決まり切った和定食」という印象もありますが、釜炊きご飯が加わることで、朝から「今日は旅をしている」と感じられる特別感がぐっと増します。
夕食の締めにも“焼きおにぎり”があり、炭火焼き夕食 → 焼きおにぎり →翌朝 釜炊きご飯という流れで“米の旅”を堪能することができます。
千倉館の二つの料理が紡ぐ「旅の記憶」
囲炉裏の夕食と釜炊きご飯、どちらも単体で魅力的ですが、両者がセットで用意されていることで、以下のような“旅の記憶”を紡いでくれます。
- 夜:囲炉裏という昔ながらの趣で、旅先ならではの素材と火の時間を共有。
- 朝:炊きたてのご飯で目覚め、旅館に泊まったという満足感・充実感を味わう。
特に、海の近く・漁師町の風情を残す南房総という土地で、炭火焼きの魚介を楽しみ、翌朝にはその余韻を釜炊きご飯が包み込む。言葉にすれば簡素ですが、その時間の重なりが「この宿に泊まってよかった」と強く感じさせる舞台を演出しています。
また、素材=地元・南房総の海の幸・山の幸という点も、料理が“その土地”のものだという実感を強くします。旅先で「ここでしか出会えない味」を体験できるのは、旅館選びの大きな魅力です。
千倉館の体験を深めるためのちょっとした“コツ”
この料理体験をさらに豊かにするために、ぜひ覚えておきたいポイントをいくつかご案内します。
- チェックイン・食事時間に余裕を持つ
囲炉裏プランでは、最終チェックイン時刻が設定されており(例:18:00までなど)到着が遅れると料理スタートが早まる可能性があります。ゆとりを持って旅館に着き、風呂や館内散策も楽しんでから、ゆったり食事を始めるのがおすすめです。 - 焼き具合・タイミングを楽しむ
素材により焼き時間が異なります。サザエや大ハマグリ、海老などは火の通り・香ばしさが肝。スタッフの方に「焼き頃」を聞いたり、少し待って余裕を楽しんだりすることで、美味しさが増します。 - ご飯もお替わり・味わう覚悟で
釜炊きご飯は「お替わりしますか?」と声がかかることも。夕の焼きおにぎり、朝の炊きたて白ご飯。どちらもその場で味わえる美味しさなので、ぜひご飯を主役にする瞬間も想定しておいてください。 - 素材の“焼く前”“焼いた後”の変化を味わう
刺身から焼き、焼きからご飯へ。例えば、夕食で刺身を楽しんだ後、同じ魚や貝を囲炉裏で焼くという流れもあります。焼くことによって香り・旨味が変化するのを体験することで、料理への理解が深まります。 - 旅の目的として“料理時間”を楽しむマインドを持つ
囲炉裏焼きは、待つ時間・焼く時間・食べる時間。これを「手間」と捉えるのではなく、「旅館で過ごす価値ある時間」として味わうと、満足度がさらに高まります。
千倉館の体験はこちらの記事からどうぞ!




















